Advertisement
サラリーマンは給料から所得税、住民税が毎月差し引かれていますが、税金の仕組みを理解すると、個人でも節税をして、手取り収入を増やせることがあります。この記事では、サラリーマンでも利用できる10種類の節税方法の概要について解説します。
サラリーマンの所得税は、個人の所得と、所得に応じた税率を乗じ、控除額を差し引いて算出します。
例えば、課税される所得195万円超330万円以下の方の税率は10%。この仕組みで所得200万円の方と300万円の方の税率を計算してみると、所得200万円のほうが税金は安くなることがわかります。
つまり、課税される所得が低ければそれだけかかる税金が安くなり、節税につながることになるのです。サラリーマンの節税のほとんどは、「利用することによって所得を減らす所得控除」を活用した方法です。ここからは、その具体的な控除制度について解説します。
各制度に関しては国税庁のサイトから最新の情報を得るようにしましょう。
扶養控除
子や親など控除対象の扶養親族がいる場合は、所得控除を受けられます。控除対象の扶養親族に該当する人の範囲は、以下の要件にすべて該当する人です。
- その年の12月31日の時点で16歳以上であること
- 配偶者以外の親族であること
- 納税者と生計を一にしていること
- 年間の合計所得金額が48万円以下(給与のみの場合は103万円以下)であること
- 青色申告者の事業専従者としてその年給料を受け取っていないこと、または、白色申告者の事業専従者でないこと
なお、老人扶養親族の場合、病気で入院しているなどの理由で納税者と別居となり、その期間が1年以上の長期にわたるものであっても、同居として扱うことができます。ただし、老人ホームに入所している場合は、居所は老人ホームとなり、同居扱いとはなりません。
医療費控除
納税者がその年の1月1日から12月31日の間に自分または、自分と生計を一にする配偶者や親族のために支払った医療費が一定額を超える場合、所得控除の対象です。
医療費控除額の計算方法は次のとおりです。
【医療費控除額の計算方法】
- 医療費控除額(上限200万円)=実際に支払った医療費の合計から民間の医療保険などで補填された額を引いた金額-10万円
- 総所得金額が200万円以下の場合、10万円ではなく総所得金額の5%が控除されます。
控除対象の医療費には、出産費用や入院費用なども含めることができます。
なお、未払いの医療費があるときは、実際に支払った年の医療費控除となるので注意が必要です。
医療費控除の医療費に含まれるおもな項目は、次のとおりです。
- 医師、歯科医師による診療・治療の対価(健康診断の費用や医師への謝礼などは対象外)
- 治療、療養に必要な医薬品の購入費用(ビタミン剤などの健康増進に用いるものは対象外)
- あん摩マッサージ、はり師、きゅう師などの施術の対価(体調を整えるなど治療と直接関係ないものは対象外)
- 医師などによる診療や治療を受けるために直接必要な義手、義足、松葉杖、補聴器、義歯など
セルフメディケーション税制
薬局やドラッグストアなど、自分で選び、対面で購入できるOTC医薬品を購入費用のうち、1万2,000円を超える部分が所得控除の対象です。所得控除の上限は8万8,000円です。
セルフメディケーション税制は、自分自身で健康管理を行い、軽い症状ならOTC医薬品を利用して健康を管理するセルフケアを推進することが目的です。
そのため、セルフメディケーション税制を利用するとき、予防接種や健康診断の受診など、健康のための取り組みを行っていることが要件です。
注意点として、先述の医療費控除とセルフメディケーション税制は併用できないことが挙げられます。
生命保険料控除
生命保険料などを支払っている場合は、所得控除を受けられます。
所得控除を受けられる項目は次のとおりです。
- 生命保険料控除 死亡・高度障がいなど万が一に備える生命保険の保険料
- 個人年金保険料控除(※2) 個人年金に加入をしたときの保険料
- 介護医療保険料控除 入院・通院・介護などを保障する医療保険や介護保険に支払う保険料
(※2)個人年金保険料控除を受けるには、以下の要件をすべて満たし、かつ「個人年金保険料税制適格特約」をつけることが必須です。
- 年金受取人が契約者、その配偶者のいずれかであること
- 年金受取人=被保険者であること
- 保険料払込期間が10年以上あること
- 年金種類が確定年金や有期年金の場合、年金の受け取り開始年齢が60歳以上、かつ、受取期間が10年以上であること