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この記事では、雨漏り修理の業者選びで確認するべきチェックポイントと、注意点をあわせて解説します。
保険金を使った住宅修理商法も火災保険料値上げの一因
火災保険料の値上げ傾向は大規模自然災害の頻発が直接的な原因ではあるのですが、保険金を使った住宅修理商法の影響も無視できません。こうした商法は特に大きな台風や地震の後に増える傾向があります。台風や地震の後であれば、実際に破損したケースも多いでしょう。正しく保険金を請求するのであれば問題はありません。ただ、大規模災害後のどさくさに紛れ、破損していなくても、破損していたことにして保険金請求をするケースが多く報告されているのです。
たとえば、単なる経年劣化によって不具合が出ているにも関わらず、台風や地震によって破損したという理由で保険金請求するというもの。火災保険は火災、風災、水災、落雷などを原因として建物が被害を受けた場合には保険金が支払われますが、経年劣化による損傷に対しては原則として保険金は支払われません。つまり、保険金を不正に請求したことになります。
もっと悪質なケースでは、経年劣化による破損や不具合もない状態でも、ハンマーを使って破損させたり、ボルトや釘を引き抜いて破損させるなどして、故意に修理が必要な状態にして保険金請求をするケースも確認されています。このようなウソの理由による保険金請求が増えてしまうと、確率・統計的に計算された保険料では足りなくなってしまいます。一人ひとりは得したと思うかもしれませんが、結果として多くの人に迷惑がかかる行為でもあるのです。
こうしたウソの理由によって保険金請求されたことが分かった場合、保険契約が解約されたり、保険金返還請求されることもあります。場合によっては、詐欺罪に問われる可能性も。しかも、詐欺罪に問われるのは工事業者ではなく、不正に保険金請求をした保険契約者となりますので注意が必要です。保険金を使って修理できるという甘い言葉に乗せられて、安易にウソの理由で保険金請求しないようにしましょう。
「保険金を使うのでタダ」とはならないかも
さらに注意したいのは、保険金が出るかどうか判断するのは修理業者ではないということです。火災保険を引き受けている損害保険会社が判断することです。ですから、そもそも提案されている工事で保険金が支払われるとは限りません。保険金が出ることをあてにし工事契約をしてしまい、後に保険金が出ない、もしくは思っていたよりも保険金が少ないとなったらどうでしょう。実際に、工事代金の支払いに関するトラブルは多いようです。
保険金が出るかどうかという問題だけでなく、高額な手数料を請求されるケースも報告されています。保険金請求サポートの手数料という名目で保険金額の30%といった形で請求されるケースが多いようです。これでは保険金が満額支払われても、自己負担は高額なものとなってしまいます。聞いていた内容と違うと、解約しようとすると今度は高額な違約金を請求されることも。契約をする前に見積書や契約書をよく確認することが重要です。ところが、契約書が渡されていなかったり、大切な項目について説明されていないケースが多いようです。
保険会社か保険代理店に相談しよう
こうした契約トラブルに巻き込まれないためには、保険金請求をする際には必ず加入した保険会社や保険代理店に連絡し相談することです。
保険金請求の手続きは保険会社や保険代理店の通常業務ですから、保険金請求サポートの手数料を請求されるということはあり得ません。悪質な業者は甘い言葉で勧誘してくるかもしれませんが、ここは冷静になってください。保険会社や保険代理店に相談するだけで、トラブルに巻き込まれることはなくなるはずです。
とは言え、こうした悪質な商法がすぐになくなるわけではありません。また、自然災害が少なくなることも期待しにくいとなると、火災保険料の値上げ傾向はまだまだ続くのかもしれません。また、火災保険の保険期間は最長10年ですが、保険期間を長くするほど保険料の割引率も高くなる仕組みです。ところが、2022年には保険期間が最小10年→5年に短縮されることも発表されており、これも実質的な値上げになります。まだ値上げ傾向が続くなら、今のうちでできるだけ長い保険期間で契約するのが鉄則です。火災保険への加入や見直しを検討されているのであれば、早めに動くことが必要かもしれません。