競売物件が”やばい”と言われる理由とは?基礎知識から実際の取引の流れまで銀行員が徹底解説

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「競売物件はやばいと言われているのはなぜ?」本記事ではその疑問に対して、銀行員が実際にあったケースを複数交えながら詳しく解説していきます。

競売とは?競売物件とは?

「競売とは、債権回収のため債権者が権利行使して、債務者所有の不動産を強制売却する旨を裁判所に申し立てしたうえで、売却すること」です。

(競売はケイバイと読みます)

冒頭の定義は法律的、あるいは銀行で使うような表現で、もう少し柔らかく表現するなら、借金が返せなくなった人が担保にしていた不動産や、税金の滞納で差し押さえた不動産を強制的に売却することで資金を回収することが競売で、要は借金のカタに土地を取り上げられ、売られてしまうということにもなります。

そして競売物件は、この競売で対象になる不動産のことを指します。

ひとことで競売といっても、債権者の権利行使の違いから「担保不動産競売」と「強制競売」の2種類があります。

担保不動産競売は、返済ができなくなったローン利用者(債務者)に対して債権者(住宅ローンでは銀行などの金融機関が債権者)が、融資している住宅ローン融資金(これが債権になる)を回収するため、裁判所に競売の「申し立て(申し込みと意味は同じだが「権利の行使を求める」というニュアンスがある)」をし、担保になっている不動産を強制的に売却することです。

ちなみに裁判所で取り扱っている案件を「事件」と呼び、競売も事件の一つであり、不動産担保競売の場合、事件番号の符号は「ケ」になります。

いっぽう強制競売は、税金の滞納処分で用いられるもので、こちらの事件番号は「ヌ」になります。

競売物件の情報は裁判所管轄の「BIT不動産競売物件情報サイト」に掲載されていますが、ここで事件番号から競売の原因が分かり、そこからリスクや対策(後半で解説)も類推することも可能です。

競売は2段階~競売する側から入札する側へ

競売では、まず債権者が競売する(競売にかける)ところからスタートし、競売にかけられたあとは、その物件を手に入れるために購入希望者が入札する側にバトンが渡されるという流れ、言ってみれば前半戦と後半戦に分かれるというイメージです。

入札については、公共工事の入札やネットオークションなどと同様に「希望者が提示したなかで、一番高い値段の人が競り落とす(落札)」仕組みです。

ただし競売の場合はネットオークションより注意が必要な事項が多く、そのため予備知識が欠かせないのです。

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